
豊胸術は、インプラントの進歩や、医療技術の進歩によってリスクの少ない手術となりつつある。しかし患者の希望、体格、もともとのバストの大きさ、形によってはリスクの多い難しい手術となることもある。今回我々はさまざまな症例を経験したので報告する。
豊胸術のインプラントにはさまざまなものが用いられている。内容物は生理食塩水、シリコンも使用されているが、現在はソフトコヒーシブシリコンが主流とな りつつある。また、外膜はスムース、テクスチャーが存在し、形状はラウンド型、アナトミカル型が存在する。挿入部位は大胸筋下、乳腺下、大胸筋筋膜下と適 応によって分類される。さらに患者の体型、もともとのバストの形、乳房下垂の有無、本人の希望の大きさによって、手術法が異なってくるのが実際である。今 回我々は、さまざまな症例に対し、おおよその術式のアウトラインを決定した。
症例はこの数年に施術された約500例。もともとのバストが未発達な症例。発達しているのにさらに大きくしたいといった症例。出産前には発達していたが、出産後に萎縮してしまった症例、乳房下垂の症例などに対し施術した。
大きさの点で不満足な症例を一例認めたが、ほぼ満足な結果が得られた。
豊胸術の難しさは、本人の希望が満足につながることは当然のことであるが、もともとのバストの形によっては不可能なケースもあり、術前に充分なカウンセリングが必要である。
隆鼻術の材料には、シリコン、耳介軟骨、筋膜、長掌筋腱、肋骨、腸骨、頭蓋骨外板あるいはヒアルロン酸などが用いられる。今回我々は皮膚の表皮を除去したあとの真皮を遊離移植した症例について報告する。
症例の内訳は8例で、外傷性鞍鼻および斜鼻が5例、シリコンによる皮膚の菲薄化1例、唇顎口蓋裂による鞍鼻が1例、隆鼻目的に異物を用いたくないという症例1例であった。
皮膚の採取部位は患者の希望により異なるが、皮膚が厚くて毛の少ない背部を主に用いた。皮膚を全層にて採取した後、脂肪および表皮部分を切除し鼻骨骨膜上にポケットを作成し挿入、ボルスターあるいはプレートにて外固定し真皮移植を行った。
症例の経過観察期間は14~26ヶ月であるが ほぼ満足な結果を得た。
外傷後や唇顎口蓋裂での隆鼻術は、皮膚の瘢痕が強くシリコンを用いると露出する可能性が強い。また骨格性および軟骨性斜鼻に対して骨切り術に鼻中隔矯正術 を併用した場合は、鞍鼻になる可能性があるがその際手術により粘膜に穴が開いていることが多く同時には異物を用いることは危険である。
Dermis graftは毛嚢、脂腺を含むため嚢胞形成、収縮吸収およびdonor site の瘢痕などの問題はあるが、生着が早く柔軟性に優れており鼻背部皮下組織が薄くなった症例や瘢痕組織で血行が悪い場合での隆鼻術の遊離移植材として一つの 選択枝であると思われる。